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~風紋~徒然歳時記

日々の光景、空と雲、懐かしい風景を求めて旅をします・・・。


by windmark-sakura

監視の眼。

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nikon D800 ニコン AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 2016.12.09撮影



在庫から。


光と影が作り出す街角の光景。
最近はニューカラー的な写真だけでなく、ニュー・トポグラフィックス的な
写真に自分の写風が傾いてきている気がする。


色々ネットの掲示板や2chなどで語られている
いい写真とは何か?というのを忘備録として記し、考えてみたい。


森山大道氏に言わせれば、写真の価値はすべて等価であり優劣はない、となってしまうのだが
ここでいういい写真とは、フォトコンなどで選ばれる写真、一般民衆に多く支持される写真、
芸術性や社会性などメッセージ性の高いと評価される写真についてだ。

いわゆるフォトコンで選ばれる写真は、インパクト勝負であり、
そして目新しさが一番重要なのだと感じる。

そして世間一般の大衆、民衆に支持される写真とは、所謂、旅行先の観光地で売ってるような
絵葉書写真や、ネイチャー系の自然風景など見た目が美しい写真、画像編集をガッツリして
写真の記録性よりも見た目の美しさ重視の写真。

そして三つめ、社会性や芸術性重視の写真とは作家性の強い撮り手の表現したいメッセージや
今現在の社会の構造や時代を切り取る、記録性を重視した写真。
例えるなら報道写真やドキュメンタリー写真などだ。

問題は写真を撮る撮り手が一体どの方面を目指すかによっていい写真の尺度は変わる。
自然美や建築美などを撮って認められたいと思えば風景写真家や建築写真家、
大衆向けのキャッチーな写真で飯を食っていきたいと思えば、所謂商業写真家という様に
目指す方向性が変わる。

自分はやっぱり写真作家的な要素が大きい。
森山氏曰く、
自分の撮りたいものを撮って飯を食っていくっていうのは大変だよね、覚悟がいる、って
言ってるのが、確かに大変ではあるが憧れでもあるのだ。

求める写真の質が人によって違うのだからどれがいい写真とは言えないというが
少なくともフォトコンなどに出す写真は作家性を前面に出すより、インパクト勝負、
切り口の面白さに重点を置いた方が入選率という点では上がる気がする。

自分は森山氏が言う様に撮る写真にその人の欲望の質や強さが出るという理論は
的を得ていると思う。
己の欲望の質を見極めれば、自ずと撮りたい写真は見えてくると自分は思う。
結局は、その見極める行為は撮る事でしか確認できないのだからやはり撮る枚数、
量の無い質は存在しないという理屈になる。

やっぱり森山大道、凄いな~(笑)

で、自分のフォトコンとの付き合い方は、
自分の撮りたいものを撮って勝負するしかないじゃん、って事にしている。
わざわざフォトコンで認められたいがために写真をそれ用に撮るでは表現性の観点からも
趣味としての満足感も、記録性やメッセージという作家性を前面に出すという点からも
かけ離れてしまうのだからやっぱり自分の軸足となる写真に求める精神性、思想は堅持しつつ
フォトライフを送る事が一番だと自分は思う。

プロの非商業写真家、つまり写真作家的なもので食っていけるかどうかは
運は天に任せるしかないというほかないという気がする。
私事ではあるが、今年は写真集作りをやったり、組写真の勉強をしたりとしてきたが
来年はもっと写真集を作ってみたい。結構写真集作りが面白く楽しくなってきている。

で、いい写真を撮るには?の答えだが、
いい写真を撮りたいのなら写真以外のものに目を向ける、モノを見る眼、洞察力を磨くことが
一番の近道だと自分は思う。
人間は見ているようでモノを見ていないし、状況や周囲の環境を把握しきれていない。
小林秀雄的に言えば、道端に落ちている石ころを1時間ずっと見続ける事なんかできやしないのだ。

大方の人間は無駄だと思ってしまうし、そこに美なんかある訳無いと言い訳をして諦めてしまう。
足元に転がっている石ころに美を見出す、そんな気構えが写真にも必要だと自分は感じるのだ。
そういう行為が苦にならない人、そういう事が出来る人にいい写真を撮れる可能性がある、
と考えればよいのではなかろうか。


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by windmark-sakura | 2016-12-13 20:35 | 風景~街角スナップ~ | Trackback | Comments(0)